モルディブ旅行の知識

モルディブの熱帯群島はいかにして生き残れるか

By Maldives Traveller
2019年7月17日
モルディブの熱帯群島はいかにして生き残れるか の写真

美しい、まるで別世界にいるような景色をモルディブでのくつろいだ休暇に提供するだけでなく、サンゴ礁は海面上昇に適応することでこの国中に点在する千個以上の海抜の低い島々を保護する役割を担っているのかもしれない。

サンゴが形成する環礁の構造についてはさまざまな研究がなされてきたが、その結果としてこのような島国を守るためには自然保護の構想やその他の環境への配慮が旅行業界などのビジネスによって導入されることが極めて重要であると示唆されている。

場合によっては、サンゴの成長により形成される陸地がモルディブを海面の上昇による侵食から守る役に立つこともある。サンゴは、今後 100 年間にわたって予想される海面上昇率に追随できる能力を持つと思われる。けれども、サンゴにストレスがかかり、汚染が進めば、追随するのはより困難になり、サンゴ礁が水没してしまうことになる。

実際に海面上昇と同じに隆起する訳でなくても、サンゴの陸地は砂や小石がそのまわりに集まることで形を変え、その結果として(場合によっては)より大きな島の陸地が形成されることもある。それこそがモルディブの熱帯群島が生き残る道かもしれない。この国は、26 の独立の環礁と 1,190 の島々から成っているのだ。

サンゴに海面上昇の影響に適応できる能力があると思われるとしても、気候変動は引き続きモルディブにとって懸念材料であるはずだ。環礁の島々が今後も気候変動によって大きな脅威にさらされ、海面上昇率は増え続けていると理解しておくことが重要だ。健康な状態である限り島の浜辺が海面の上昇に対応できるらしいことに納得しつつ、観光用リゾートなどの民間団体が環境に優しい方策を採用してゆくことによりサンゴ礁をさらにもっと保護できるようにすることが、何よりも大切になるだろう。