海面上昇という課題に対応するためのモルディブの水上都市

海面上昇はモルディブにとって重要な課題であるため、ユニークかつ非常に野心的な新しいインフラプロジェクトの計画が進行している。
10億ドルにおよぶモルディブ・フローティング・シティというプロジェクトが進められており、その建設が今月開始される予定になっている。
完成すれば世界初の水上都市になるが、モルディブはこういった革新的なプロジェクトには最適な場所だと考えられている。
2009年にコンセプトが考案されたこのモルディブ・フローティング・シティは、5000件の新たな住宅と、2つの高級リゾート地、1つのヨットマリーナ、そして1つのショッピングモールで構成されている。
完成までに5年が予定されているこの水上都市は、最終的にいくつかの病院や、学校、そしてレジャー施設などの文化的な施設も建設されることになっている。
すべての住宅は海が見える場所に位置しており、面積は80平方メートルから140平方メートルになる予定である。
この水上都市は、海面上昇がモルディブの存続に対する脅威であることを踏まえ、そのリスクを軽減することを目的としている。
この水上都市は、現地の珊瑚礁の幾何学的パターンを反映した六角形のセグメントを組み合わせて作られる。
この構造がバリア島で包囲および接続され、これがラグーンの波の影響を減らし、水上の建築物の安定性をサポートするための水面下の防壁の役割を果たすことになる。
このプロジェクトはオランダで何千件もの水上住宅の建設に携わってきたDutch Dockland社が担う。
この水上都市は首都のマレとマレ国際空港から船で10分の距離にある200ヘクタールの温かい水を湛えたラグーンに建設される。
このプロジェクトを主導している人々によれば、この水上都市に建設される住宅は手ごろな価格になるという。
今月始まる建設を前にして、エンジニアたちは土壌と岩礁の状況のアセスメントを完了した。
環境への影響に関するアセスメントが実施された結果、このプロジェクトは環境保護庁から承認された。
海抜が低く99%が海で構成されている国であるモルディブは、最も海面上昇のリスクにさらされている国の1つである。
国土の80%以上が海抜1メートル以下である。
モルディブは、世界的な気候変動の影響に対処するためによりドラスティックな対策が講じられなければ、今後の数十年で消滅すると多くの人々から考えられている。
この水上都市のような革新的なプロジェクトは、モルディブが気候変動の影響に対処するための解決策を模索する過程において、引き続き環境面の持続可能性を強調していくという取り組みの一環である。
モルディブ政府は、埋め立て地ではなく水上都市を利用することによって、環境を破壊することなく人々が水上で生活できるようになると述べている。新たな岩礁が成長し、この水上都市の防波堤として機能することになる。
いくつもの橋や、運河、そして波止場で構成されるネットワークが、環境面で持続可能性な形で、様々なセグメント全体へのアクセスを提供し、ラグーン全体に広がる多くの店舗や、住宅、そしてサービスを接続する。
この水上都市の電力は、モルディブ政府が掲げる2030年までに温室効果ガスの排出を実質ゼロにするという目標に沿って、再生可能なエネルギーによって賄われることになる。