持続可能な観光産業をリードするモルディブ

モルディブ政府は2030年までに同国をカーボンニュートラル(人為的に大気中に排出されるCO2の量と森林などが吸収するCO2の量との間で均衡が取れた状態)にする事にコミットしている。
モルディブ議会は4月に海面上昇の潜在的な脅威と環境へのダメージに対抗するために気候変動緊急事態法案を採択した。
この法案には二酸化炭素の排出量を正味でゼロにするために、次の十年紀が始まる前にモルディブの二酸化炭素排出量を26%削減するという高い目標が含まれている。
太陽光発電や風力発電などの再生可能エネルギープロジェクトの支援が、この目標を達成を目指すコミットの中心である。
脅威
モルディブ政府内の上級相たちは、気候変動の潜在的な影響を緩和するための措置を講じなければ、モルディブが将来的に消滅する危機にさらされていると信じている。
環礁の連なりとしてのモルディブは、世界的な気温の上昇によって引き起こされる海面上昇にとりわけ脆弱である。
洪水と海岸浸食は既にモルディブにおいて著しい脅威となっている。
太陽の力
モルディブのカーボンフットプリントを削減し、より再生可能なエネルギー源を作り出す取り組みの一部として、同国政府は世界最大規模の洋上太陽光発電所の建設計画を発表した。この提案されている36メガワットの洋上太陽光PVハイブリッドシステムは、首都マレ一帯の電力を賄う事ができるとされている。
多くの島々にも再生可能エネルギーを供給するために、他の太陽光発電システムもモルディブの全域に建設される予定である。
この世界銀行から資金援助を受けている計画には、カーボンニュートラルを目指すモルディブの高い目標を達成するために、14の島々に太陽光発電システムを設置する事が含まれている。
持続可能な観光産業
新たなリゾート島の開発が計画されている中で、観光産業はモルディブの経済にとって今まで以上に重要である。焦点は、人々がモルディブを将来的にも楽しめるようなより持続可能な方法と、同国の貴重な自然を維持する事に向けてますますシフトしている。リゾート島には既に周囲の島々を取り巻く海の動植物を保護する義務が課せられており、未だかつてないほどこの環境へのコミットメントを自らのブランドのアイデンティティに組み込むようになっている。
モルディブの多くのリゾート島は、海の動植物に危害をもたらす可能性があるプラスティック製品の使用を取りやめる事にコミットしてきた。一部のリゾート島は専門の保護施設と共に珊瑚礁の再生プロジェクトを立ち上げている。
現在、ますます多くのリゾート島がフルタイムで海洋生物学者を雇用し、観光客が現地の環境をより良く理解するためのサポートを提供している。
最も豪華な高級リゾートの一部は全ての電力を太陽光で賄っている。また、使い捨てのプラスティックが多くのリゾート島で一掃され、環境に優しい製品がますます好まれるようになっている。
「慎重さ」と持続可能な高級さはますますモルディブのハイエンドなリゾート島の代名詞になってきており、この地上の楽園が今後も観光客を喜ばせ続け、来たるいくつもの世代に渡って現地のコミュニティをサポートしていくという明るい展望を提供している。