トラベルガイド

モルディブってどんな国?

モルディブ諸島の空中写真 の写真
モルディブ諸島の空中写真

インド洋の298平方kmの海上に広がる数千の島々からなる国。夢のような美しさを天から授けられた国。それが モルディブだ。モルディブはスリランカとインドの南端から500キロ離れた場所に位置している。自然の輝きと美しさ、そして、モルディブ人のもてなしの心をどうぞお楽しみください。

人口はたった5万人ほどだが、毎年その3倍ものお客様を迎えている。モルディブは 何世紀もの間ずっとお客様を歓迎し続けてきた。旅行者もいれば、その神秘やこの小さい島々での不思議な生活について取材に来る人もいる。冒険家や船乗りしかたどり着けなかった時代とは違い、今は世界中のどこからも簡単にモルディブに来ることができる。

晴れわたった青空、青く澄みきったラグーン、月に照らされた夜、ビーチへうちよせる波のささやき、堂々としたやしの木、真っ白なパウダービーチ……。南国のパーフェクトホリデーにはどれも必要な要素だ。モルディブほどその要素が豊富にそろっている場所はないだろう。

モルディブは今や旅行者によく知られた地であるが、その長い歴史はよく知られていない。モルディブはこの2000年の間に世界で起こった地理的変化や地殻隆起により影響を受け、大きく変化を遂げてきた。

1970年代の初めから、モルディブ に来る観光客が急増した。サーファー、ダイバー、ビーチリゾート通、ゲームフィッシング客、現地のツアー客、海好きの人たちにとって、モルディブは理想の地となった。

日本からモルディブへのアクセスも便利になっている。特にシンガポール、バンコク、マレーシア、香港経由の定期便が飛んでいて、大変便利だ。

観光客には到着時に30日間有効のツーリストビザが発給される。税関と健康申告を終えたら、トロピカル・ホリデーへと続く道が開ける。

地理と気候

モルディブは約1190の島を持つ群島国家。島々は珊瑚礁の環礁を形成している。世界中の海と同様にインド洋にも波やうねり、様々な海洋現象が起こると思うだろう。インド洋の中央に位置するこの珊瑚礁の環礁に近づくまでは、誰もがそう予想するだろう。

環礁は円形の輪が首飾りのようにつらなっている。環礁の輪の外側には強力なリーフがある。珊瑚の岩屑と生きた珊瑚礁でできたこのリーフは荒々しい海から島を守る手ごわい防壁となっている。いったん内側の静かな海に入れば、環礁のラグーンの中は落ち着いている。

環礁の島は外側のリーフに沿って連なっている。ラグーンの内側にある島もまれにある。各島はそれぞれリーフで縁取られている。これが更に島を強く守っている。リーフ内の海は浅瀬が多い。よく絵葉書で見かける島を縁取るアクアマリンの輪はこれである。

モルディブの島は外洋の波から守られているけれども、海は気候に大きな役割を果たしている。海は暑さを和らげる効果がある。海は硬い地面よりゆっくり熱を蓄え、また、熱を放出する。

モルディブは赤道をまたいでインド洋のサイクロンベルトの外側に位置している。南国気候だ。南西モンスーンが吹く6、7月ごろは雨が多いが、北東モンスーンの間はほとんど毎日青空が広がっている。

環礁の成立ち

1842年チャールズ・ダーウィンは環礁の成立に関する学説を発表した。ダーウィンは、火山がゆっくりと海中に沈んだ際、まわりを囲んでいた珊瑚礁が持ち上げられ、環礁ができたのだと発表した。しかしながら、ダーウィンは、モルディブの構造は彼が調査した太平洋や大西洋の島々とは何か違うとも言っている。

1962年ハンス・ハスはモルディブでの潜水による調査を終え、こう結論を下した。「一部の珊瑚礁の内部構造は穴が多く、壊れやすい。そのため、広大なリーフの岩だなは常に中央が陥没している」。

リーフはインド洋中央に延びる海底山脈の峰にあたる。リーフは時折海面から突き出し、岩だなへと続いている。岩だなの中央は食物と酸素の不足や潮の影響のため、崩れている。

しかしながら、硬く、背の高い珊瑚が植生している環礁の輪のまわりでは、砂や岩が集まり、植物が根をはり、島が再生し始めている。

モルディブの成り立ち

モルディブの知られざる成り立ちは、水圏と岩石圏しか存在しなかった2億2500万年以上も前に始まった。当時、地球の半分以上がパンゲアと呼ばれる大陸から成っていた。この大陸はパンサラッサと呼ばれる海に囲まれていた。

約1億3600年前パンゲアは2つの大陸に分かれた。北の大陸はローラシアと呼ばれ、南の大陸はゴンドワナと呼ばれた。2つの大陸の間にはテテュスと呼ばれる海があった。次にゴンドワナがばらばらになり、アフリカ大陸とアメリカ大陸を隔てる大西洋を形作った。

大陸はプレートの移動のためばらばらになった。そして、地球の核から溶岩が噴出し、水中地形を形作っていった。ローラシアも分解され約6600年前に北半球の大陸ができあがった。

インド洋は約1億5000年前から形作られ始めた。当時インドは南側の大陸の一部だった。一方、アジアは北側の大陸“ローラシア”の一部だった。

上記の時代、プレートの移動によりインドはマダガスカルやアフリカから分かれ、徐々に北側へ移動し始めた。このプレートがインド洋を移動するとき、ホットスポットを通過した。現在のレユニオン島付近に位置するこのホットスポットがモルディブの形成に特別な役割を果たしたといわれている。

チャゴス群島からモルディブを通りラクシャディープまで続く隆起部はホットスポットを通過してできたと科学調査で確認されている。ホットスポットを通過したため、インドプレートまで続く長い火山帯が形成されたのだ。

長旅の末、インドのプレートの北端がアジアのプレートの南端に衝突した。その衝撃で巨大なヒマラヤ山脈が生まれた。インド洋はその後、輪郭を描かれていった。

モルディブの祖先であった火山は長い時間をかけ、徐々にインド洋に沈み始めた。当時のモルディブの地形は火山と高地からなる島だった。しかし、山が徐々にインド洋へ沈み、頂上の噴火口だけが残った。何百万年を経て、残った山の頂上が美しい珊瑚礁の島となった。

環礁の名前

モルディブは様々な大きさの26の環礁から成っている。環礁という言葉はディベヒ語で2つの意味がある。1つは地理上の環礁。もう1つは行政区としての環礁だ。

26の地理上の環礁は20の行政区としての環礁に分けられる。小さい環礁は大きい環礁と同じ行政区としてまとめられる。

地理上の環礁はティラドゥンマティやファーディッポルやアッドゥーといった昔からある名前で呼ばれる。行政区の環礁は北から順番にターナ・アルファベットの文字がつけられている。そのため、ティラドゥンマティの北側の部分である一番北の行政環礁はハー・アリフ環礁と呼ばれている。

ハーはターナ・アルファベットの最初の文字であり、アリフはハー環礁の北側ということを意味している。モルディブ人は昔からある名前とアルファベットの名前をどちらも使うので、観光に来た人は混乱することも多い。

その上、モルディブの地図には伝統的な英語名版の名前も使われていることがある。例えば、南部のフワドゥー環礁は時にはスヴァディヴァ環礁と地図に記されている。

全環礁の紹介

モルディブの北側に140kmにわたって連なる209の島は4つの行政区に分かれている。ハーアリフ、ハーダール、シャヴィヤニ、そしてヌーヌだ。この環礁の人々は主に漁業を営んでいる。

農業が行われている無人島もある。また、遠く故郷を離れ中央の環礁にあるリゾートで働いている人もたくさんいる。ハーダール環礁にあるクルドゥフシ島はこの4つの環礁の商業的、社会的中心地だ。特にこの地域の北側の地方にとってはとても大切な島だ。

行政上のラー環礁は地理上のラー環礁と一致している。ただし、アリフシという小さい環礁もこの管轄下に入っている。伝説によれば、コイマラがスリランカから娘と一緒に到着したのがラー環礁にあるラスゲティーム島だと言われている。彼らが紀元前1100年頃マーレ島に移り住んだのはこの島からだと言われている。

バー環礁は自然の環礁2つから成っている。この行政上の環礁のメインの部分はラー環礁の南にある中サイズの環礁だ。他の部分はたった3つの島(ゴイドゥー島フラドゥ島フェヘンドゥ島)しかないゴイドゥーという小さい環礁である。1602年に船“コーバン”が座礁し、フランス人探検家のフロンソワ・ペイラーが5年間置き去りにされたのはここである。

ラヴィヤニ環礁はマーレ環礁から120km北に位置するたった幅37km、長さ35kmの小さい環礁である。ラヴィヤニ環礁にある60の島のうち住民島は5島だけである。しかし、無人島のいくつかは様々な用途で使われている。

いくつかのリゾート島もあり、一番古いクレドゥ アイランド リゾートは1978年にオープンした。主要産業は漁業で、メインアイランドのナイファル島ヒンナヴァル島には5000人以上が住んでおり、大きな漁業団もある。この環礁はモルディブで初めての魚缶詰工場ができた場所だ。

カーフ環礁は、北マーレ環礁、南マーレ環礁、ガーファル環礁と一番北にある小さいカーシドゥ環礁の4つの環礁からなっている。観光産業の中心地となっている。カーフ行政区には7つの住民島があり、全島とも環礁の東側に位置している。モルディブの政治経済の中心地“マーレ島”はこのマーレ環礁の中心地でもある。

アリ環礁という名で知られるアリフ環礁は、2つの行政区に分かれている。北アリ環礁と南アリ環礁だ。この環礁はマーレから64km西に位置し、北から南へ80kmにわたって広がっている。

北アリ行政区はアリ環礁の北半分とラスドゥ環礁という小さい環礁とトッドゥ環礁から成っている。アリ環礁の北に位置するラスドゥ環礁はたった3つの島から成っている。トッドゥは小さい環礁にある島で、この島自身がひとつの環礁をなしている。

船の形をしたヴァーヴ環礁は南マーレ環礁の南端から11kmのところに位置している。人口は国内で最も少ない。見ごたえ抜群のダイブスポットがあることは早くから観光業の分野に紹介されていた。また、ヴァーヴ環礁はクルーズツアーの目的地としても人気が高い。

ミーム環礁は最近観光業に参入した環礁で、2000年に初のリゾートがオープンした。この環礁内で人が住んでいるのはほんの4分の1の島だけだ。残りの島には手つかずの自然の美しさが残っている。行政首都はムリ島だ。

ファーフ環礁とダール環礁はアリ環礁の南に位置している。ファーフ環礁は宗教的な移民たちが押し寄せ、原住民に取って代わった土地だと歴史学者は推測している。

マーレから150km離れたダール環礁は手工芸が有名だ。特に有名なのは宝石職人だ。クダフヴァドゥ島には古代の彫刻がほどこされた美しいモスクがあり、島の彫刻家の高い技術がうかがえる。

ター環礁はほぼ円形のリーフが700平方kmの海を取り囲んでいる。67の島のうち、人が住んでいるのは13島だけだ。

ラーム環礁は約長さ40km、幅25kmの大きさだ。特徴的なのは、国内では比較的大きい島がいくつかあることだ。この環礁の古代遺跡はここに古代から人が居住していた証拠を残していると歴史学者は記述している。この環礁は主に漁業で生計を立てているが、土地が比較的豊富なため農業にも従事している。

フワドゥー環礁はラーム環礁から1.5度のチャネルで隔てられており、モルディブの他の環礁とまったく異なっている。幅85kmのチャネルを横断しているフワドゥー環礁は2つの行政区(ガーフアリフとガーフダール)に分かれている。この環礁は世界で2番目に大きい環礁で、長さ70km、幅50kmもある。2240平方kmの環礁内に250以上島と無数のリーフと浅瀬がある。

赤道を越え、フワドゥー環礁の40km南に珍しい環礁がある。ニャビヤニ環礁、通称フヴァンムラだ。ここは一つの島が一つの環礁を成している。赤道チャネルは世界の最も古い海洋ルートのひとつで、何度も使われた。

エジプトのパピルス船、アラブのダウ船、中国のジャンク、ヨット、蒸気船、タンカーなどがアラビア湾、南西アジア、アフリカ、中国間を行き来した。フヴァンムラは世界で最も孤立した島のひとつだ。

アッドゥ市(スィーヌ環礁)、通称アッドゥー環礁もモルディブの歴史上特別な場所。第2次世界大戦中モルディブはイギリスの保護国であったので、イギリス海軍は赤道チャネルを通り抜けるセーシーレーンを守るためこの島に滑走路を設けた。

イギリス空軍は1976年までこの環礁に在留した。最盛期にはイギリス空軍は1200人の労働者を雇用していた。アッドゥは南側の環礁の中心地でもある。

モルディブの体験

マーレ半日見学ツアー の写真
US$40
マーレ半日見学ツアー
こちらのツアーではモルディブと、首都マーレについて様々な知識を得ることができます。経験豊富な日本語ガイドが同行し、モルディブの歴史や文化について興味深い話をしながら、マーレを楽しむツアーです。マーレの主要な観光スポットをご紹介します。
日本語ガイド同伴、4時間の市内観光
アダーラン プレステージ ヴァドゥ日帰りツアー の写真
US$125
アダーラン プレステージ ヴァドゥ日帰りツアー
この1日ツアーでは、アルコール類を含むオールインクルーシブ プランでアダーラン・プレステージ・ヴァドゥをお楽しみいただけます。この島は生き生きとしたサンゴ礁や独自の海洋形態を持ち、高級モルディブのリゾートとしては最高と言われています。
充実のオールインクルーシブプラン
センターラ ラスフシ リゾート 日帰りツアー の写真
US$135
センターラ ラスフシ リゾート 日帰りツアー
この日帰りツアーは、飲み物、プール、ウォータースポーツなどが含まれたオールインクルーシブ プランで、センタラ ラスフシ リゾート&スパをお楽しみいただけます。トロピカルな美しさに恵まれたこの島は、カップルや個人旅行者にぴったりの隠れ家です。
充実のオールインクルーシブプラン
体験ダイビング の写真
US$85
体験ダイビング
ディスカバー スクーバ ダイビングでモルディブの熱帯の美しさを体験しましょう。スキューバダイビングの楽しさをすべて体験し、リーフで潜る前にスキューバダイビングの基本を学びます。
ダイビング中の撮影付き